其の35 ブルー・サムライの敗北
(この記事は、週刊ジェンタ2006年6月16日付けに載せたものに加筆修正したものです)サッカーW杯観戦で寝不足気味になった。サッカールーズのワールドカップ史上、初ゴールがティム・カーヒル(エバートン/イングランド)から。二つ目もカーヒル。だめ押しがジョン・アロイシ(アラベス/スペイン)。役者が晴れ舞台で活躍した。
だが、試合前日、珍しくヒディンク監督は切れていた。”オーストラリアは汚いゲームをしている。彼らは膝を狙ってくる”と日本の報知新聞が報じた川渕キャプテンの談話に対して怒った。
「私は、全部映像をみた。かなりフェアだ。ゲームでは普通のことだ。あれは書く価値のない記事だ。無責任な行為であり、レフリーに条件をはめる雰囲気を醸しだそうとするものだ。スポーツマンが言う態度ではない」と。
サッカールーズ・ファンの祈りを代弁した意見がSBSサイトに載っていた。
『日本国民をドライにしておくには、45分から75分の間に得点をさせないことだ。多くの統計から導き出した一つの結論だ。準々決勝に残った4年前、日本のファンは大阪の道頓堀に飛び込んだ。その1年後、阪神優勝の時も、野球ファンが飛び込んで1人溺死したという。日本チームがベースキャンプを張るボン市長は日本のサポーターに、「ライン川には飛び込まないでおくれ。水質はいいが、流れは早く溺死するから」と呼びかけた。日本ファンにとって、危険時間帯は試合後だ。しかし、サッカールーズにとっての危険時間帯は、セカンド・ハーフの最初の30分間だ。『日本代表チームは、1998年と2002年のW杯2大会の7試合で、6つのゴール。その全てをその時間帯に決めているのだ』
『ジーコ監督だって計算している。「ブラジルが突破することはほぼ決まりだ。残りの3チームは33%ずつのチャンスだ」と。単純計算すれば、ジーコ監督は、2千万の人口のオーストラリアとくらべれば、(1億2千万の)日本は6倍のスター選手を発掘するチャンスがあるんだと言うかもしれない』
『日本では、天皇皇后両陛下が初めてジーコ監督や宮本、中田ら4選手を皇居に迎えてサッカー選手を激励した。オーストラリアはジョン・ハワード首相がメルボルンでサッカールーズの壮行昼食会に出席するはずだったが、東ティモールへの部隊派遣という小事が邪魔をした。ティモールはさておき、オーストラリア人は60年前に日本軍が攻めてきたを盾に大きな紛争をワールド・カップにもちこむほど馬鹿ではない。2004年にアジア杯を中国が主催した時、中国人はそれをやってしまった。中国のサポーターは君が代にブーイングし、第二次大戦の日本侵略を非難する横断幕を数珠繋ぎにした。だが、結果は日本が勝利してそれに応えた。ジーコは「すべての経験が日本チームの結束に役立った」と言った』
『だから、フース・ヒディンク監督へのアドバイスは簡単だ。「ゴールすることにこだわれ! ライン川の水を抜いておけ。戦争の話はするな。決勝トーナメントのためにホテルを予約しろ」だ』
ヒディンク監督が、キャプテン、ビドゥカが同席する公式記者会見で反論したのは正しい。今回、中国の役割を果たしたのは、残念ながら川渕キャプテンだった。日本の敗因の半分は彼にある。あんなこといわれれば、何と言っても勝ってやるという気持ちにさせる。オーストラリアは、最後の6分からネットを揺りに揺さぶって3ゴール。おまけに、日本の1得点もファウルだったと、エジプト人主審が謝ったという。その審判としての行為はどうかと思うが、ほんとうは、3-0だったのだ。日豪ともゴールにこだわれ。川渕さんよ、犬の遠吠えめいた場外論争はやめろ、言いたい。
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