其の18 歩け歩け走れ走れ
歩け歩け 走れ走れオーストラリア人は、どこでも歩き、そして走る。昼食時間帯、背広を着替えて、汗びっしょりで走るサラリーマン。東京の新宿でも、昼間走っているのは、「ガイジン」が多い。日本人には、なかなかそれが活力にならない。シドニーでもメルボルンでも、オフィスの中にシャワー室を設けることが、社員の福利厚生施設になるとも聞いたし、私が現役でシドニーに勤務していた時の弊社の隣の職場には、4人分のシャワー室が設備されていた。
シドニー五輪の覇者「ナオコ」は今でも人気者だ。 「歩く者」「走る者」は、仲間として尊敬されるのだろう。[パトちゃん]に勤務されれている知りあいの末広守さんは、月ー金の通勤に5キロをウォーク。土日は毎日3キロを走り、後はウォーキングで合計10キロに挑戦。この4年弱ではきつぶした靴は、2足3文ならぬ、2足半。通勤費が貯まっているだろうなどと考えてはいけない。貯まったカネは靴に消えていくのだ。
毎年恒例のシドニー北部からボンダイ・ビーチまでのシティ・トゥ・サーフマラソン。今年で一八年目となる。今や、女性の参加者も四十九%と裾野を広げ、参加者六万を超える世界有数の市民マラソンに成長した。日本からの参加者も多い。毎年力強い人間の帯がハーバーブリッジを南下していく。
歩きには、いろいろな名前が付いている。フィットネス・ウォークス、ブッシュ・ウォークス、レジャーウォークス、犬同伴ウォークス、案内付きガーデンウォークスなどなど。昨今の醜い肥満を考えると、カロリーの消費は結構なことだが、困ったことに太った人はあまりこういうイベントに参加しないのだ。むしろ、コーラの瓶とチップスをもって、眺めている。肥満者が気軽に参加できるこの腫のイベントを月1回やってみてはどうか。”WAR ON FAT ”ウォークスとか、肥満一掃ウォーキング、42.195キロで痩せる大会とか名称をつけて。 それだけでは効果がないから、体重別にクラス分けをする。清涼飲料やファースト・フードの会社から協賛金をもらって・・。
ハワード首相は、行く先々で歩く。ある年、東京・赤坂の迎賓館に滞在中の3日間、毎朝六時から三十分間ウォークした。ハワード首相が迎賓館に滞在中にたまたま担当だった私の友人の帝国ホテルのホテルマン山本博さんが首相に同行した。「首相は速歩でしたね」と、彼は言った。足取りの速いハワード首相は、健康・オーストラリアを輸出している、と私はおもっている。因みに、この山本さんもフルマラソンをこなせる体力の持ち主である。100キロマラソンにも誘いの声がかかるほどだ。末広さんも、山本さんも余分な肉はどこにもない。
イギリスの若き自然学者チャールズ・ダーウィンが、世界一周の途中、ビーグル号でシドニーに着いたのは一八三六年一月一二日だった。
ダーウィンは、シドニーで、ガイドと馬を借り上げ、内陸まで旅をした。ブルーマウンテン(世界遺産)を越えながら、ある滝の所で止まった。ダーウィンは、その渓谷を「下は大きな入り海か湾か。部厚い樹林に覆われて、それ以外の表現を私は思い出せない」と書いている。その道にチャールズ・ダーウィン・ウォークという名前がつけられた。(写真は、ウェントワース・フォールに近い所だ)ダーウィンがブッシュ・ウォークをして170周年の今年は、滝までのガイド付きの記念のウォークが毎日曜に行われている。
3月14日にシドニーを離れるまで、タスマニア(当時のタスマニア島の名前はディーメンズ・ランドと言った)に行ったり多忙な日々を過ごした。
オーストラリア・オックスファム主催の世界の貧困撲滅のためのウォークは今年で40年目。あなたの一歩が、世界の貧困を助ける、が合い言葉。自他共の幸せを目指して、さあ、歩こう。助け合い精神は、オーストラリアの文化である。
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