Weekly Go 豪
負け犬の遠吠え 友の会シドニー支部

 

Friday, April 07, 2006

其の11 当世風アナウンサー

  久しぶりに日本に帰って、アナウンサーをしていた当時の仲間に会った。「最近の若い者は誤読が多い・・」 また若者バッシングが始まったかと思った。だが、ほんとうにたまげた、のである。ぼやきが多いのも無理からぬことだった。書き出してみる。括弧内は間違った読み方だ。 

 伊達巻き(いたちまき)=こんなもの食えるか。海の藻屑(うみのもずく)=本来食い物じゃないんだ。他人事(たにんごと)=ひとごとと思ってる人に限って犯すミスだ。画竜点睛(がりゅうてんせい)、古文書(こぶんしょ)、馬場先門(ばばせんもん)江戸の勉強してほしいよ。借入金(しゃくにゅうきん)、天城山(あましろやま)=近県の旅に出たこともねぇのか。指宿(ゆびやど)=鹿児島のどこにそういう宿があるんだ。上意下達(じょういげだつ)=こんな風に読むようじゃ上の考えが下に伝わっていなんだね。刺客(しきゃく)=小泉さんも、俺こんな者送ってないぞ、と言うだろう。老舗(しみせ)=死期の迫った人がやっている店かい? 宮内庁御用達(くないちょうごようたつ)=先日中国製の菓子箱に、宮内庁御用と言う表現があったが、如何に嘘かわかる。紅葉狩り(こうようがり)=風情がないね。旧中山道(いちにちじゅうやまみち)、と、まあ、出るは、出るは・・・。
 
 こういう誤りが多数派の時代になると、正しいことを言っている人が指摘を受ける恐れが出てくる。  間違いは放送だけではない。新聞も然りである。一例に過ぎないが、「刺されて重体の老人死ね」も、そうだ。「刺されて重体の老人死ぬ」とやったつもりが、誰も気づかぬまま、発刊されてしまった。悪気はなかったろうが、人権問題だ。 
 
 こんな話をしているうちに、「この間赤城山に観光にいったらね・・」と切り出した元女子アナがいた。 「観光バスガイドが、『赤城の山も、今屑(いまくず)かぎり』って言ってたわよ」という。今宵の宵と『屑』では大違いだ。最初から、間違ったまま覚えたとしか思えない。誰も気づかず、誰も注意してあげなかったのか。そもそも、「いまくず」とは、何なのだ。意味が通らない言葉を丸暗記して、不思議に思わない世の中になってきているのも恐ろしい。

 しかも、仮に「赤城の山も今宵(こよい)限り」と言ったとしても、「赤城の山も、今宵を限り」が正解だ。 国定忠治も驚いたろう。「生まれ故郷の国定の村や、縄張りを捨て國を捨て、可愛い乾分の手前たちとも、別れ別れになる首途だ」と続く忠治のその後の科白は、もうおっかなくて聞いていられない。 

 斯く言う私も、アナウンサー駆け出しの頃に、大失敗がある。風邪をひいて目に涙を浮かべて西部劇の予告を読んでいた。「来週は、西部の荒野の若者が・・」となっていた原稿の「若者」が、「芸者」に見えてしまった。アナウンス室に戻ったら、視聴者からの電話が殺到していた。「西部に芸者がいるのかよ・・」   

 ミスにもレベルはあるが、ひたすら読書し基礎知識を育み、油断や先入観を排除し、先輩に聞いていくしかミスをなくす方法はないと思った。

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